宇宙の年齢は138億年らしい。
正直、想像もつかない。
パンの発酵時間ですらたまに忘れるのに、138億年なんて言われても困る。
でも最近ふと思った。
今、自分が出会っている人たち。
家族も友人も取引先も、お客さんも。
138億年という長さの中で考えたら、とんでもない偶然の重なりじゃないだろうか。
100年生まれるのがズレただけで出会わない。
1000km生まれた場所がズレても出会わない。
そう考えると、今知り合っている人たちは奇跡みたいな存在だ。
そして考えた。
もしかしたら、アヴリル・ラヴィーンと付き合えていた世界線もあったんじゃないか、と。
もちろん現実にはない。
向こうは世界的スター。
こちらは日本の小田舎のパン屋。
年収数百万円程度でヒーヒー言いながらガス代を気にしている。
蓋然性で言えばゼロである。
しかし可能性で言えばどうだろう。
138億年という宇宙スケールで考えれば、アヴリルと私はほぼ同世代だ。
5歳差くらいしかない。
恐竜と比べたら誤差である。
織田信長と比べても誤差である。
そう考えると、少し惜しい気もする。
惜しくないか。
いや、惜しい。
そんなことを考えながら今日もパンを焼いた。


